俺とアイツの出会い

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「くるみには感謝してるんだ。俺の仕事のこともちゃんと理解してくれて、『私と仕事どっちが大事?』なんて下らないこと訊かないし、ワガママも言わない。色々我慢してくれてるんだと思う。」  言いながら距離を詰めると、くるみは僅かに肩をビクつかせ、頬を紅潮させた。  あの男はともかく、くるみを疑うなんてどうかしている。  散々、約束を破って悲しませているのだから、男友達(・・・)と遊んだぐらいでやきもきすることなどない。 「俺は不器用だから、ひとつのことに集中してると他のことができなくなるんだ。俺の都合ばっかり言って申し訳ないけど、くるみがそれでもいいって言うんなら、あともう少しの間だけ我慢してもらえないかな?」 「うん。分かった。頑張る」 「ありがとう」  頭を撫でると、くるみはいつも通り嬉しそうに笑った。
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