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ほら見ろ。くるみは嫌だとは言わないじゃないか。
あの男に乗り換えるつもりなら、それ相応の返事をするはずだ。
大丈夫。まだくるみは……。
「そうそう、これを渡さなきゃ。はい。遅くなったけど誕生日プレゼント」
手渡すのが憚られるほど遅くなってしまったが、くるみは不服も言わず喜んで受け取ってくれた。
満面の笑みを浮かべ、くるみは部屋に入るように言ってくれたが、明日は出張で早朝の飛行機だったので遠慮した。
きっと今、部屋に入ったら感情の赴くままにくるみをめちゃくちゃにしてしまいたくなる。
あんな男のせいで理性を失いたくはない。
帰り際、いつも以上にしゅんとするくるみを見ると、俺もいつも以上にホッとしていた。
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