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「んっ……」切ない声を漏らし、くるみは俺の腕を強く掴んだ。
そこで漸く我に返った。
「次の日曜は必ず時間作るよ」
唇を離すと、くるみは上気した顔で俺を見上げていた。
「ホント……?嬉しい。ありがとう」
嬉しそうな彼女を腕に抱き、今度こそくるみに会う時間を作ろうと思っていた。
忠実で従順な可愛い彼女が、得体の知れない男に奪われる前に――。
*
もうここまで思い通りにならないと、さすがに笑ってしまいそうになる。
接待漬けになると危惧していた通り、大手メーカーの営業担当とその上司からゴルフに誘われた。
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