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妙な胸騒ぎがして、くるみにLINEしようとしたが、女々しい気がして止めた。
あんなチャラチャラした男一人に焦ることなどない。
故意ではなくても、俺が約束を破っていることは事実なのだから、くるみが俺への当てつけで他の男とデートするぐらい大目に見るべきだ。
どうせ、あの男が言い寄ったところでくるみが俺を裏切るとは思えない。
他のオンナならともかく、あの”ハチ公”のくるみがそんなこと……。
俺はまだ高を括っていた。
飼い犬に手を噛まれることなどあり得ないと思っていた。
手綱を握っているのは俺だと、本気で信じていた。
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