行きずりのオレと本命のアイツ

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「お願いだから、会社の前で待つの止めて!」  一度目より二度目の方が強いめに怒られた。 「しゃあないやん。オレ、よう考えたらくるみんの連絡先知らんし」  聞くの忘れたオレが悪いんやけど、他に連絡の取りようがないからしゃあない。 「ねえ。ちょっと時間いい?」  怖い顔でそう言うと、くるみんはオレを駅前のカフェへと連れて行った。デートやったら嬉しいけど、どう考えてもちゃうやろなぁ。 「これ、この間のタクシー代。それと、これ」  向かい合って座ると、注文したコーヒーが届く前に彼女はタクシー代とオレがあげたプレゼントをテーブルの上に置いた。  お金はともかく、プレゼントまで返されたのはかなりショックやった。
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