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けど、その日はくるみんにとってはただのバレンタインデーじゃない。
誰もが平等に持ってる特別な日。
一番大事な人に祝ってほしい日。
彼氏がおらんかったらしゃあないけど、おるのに祝ってもらわれへんのは悲し過ぎる。
”おめでとう”って、たった5文字やん。それだけで、くるみんを喜ばせることができるくせに言うたれへんねんもん。
やっぱりあんたが悪いで、彼氏さん。
すっかりしょんぼりしたくるみんを励ますつもりで一緒に飯食って、店を出た後、どさくさ紛れに「ウチ来る?」って訊いた。
「なんでそうなるのよ」って笑う彼女にオレは言った。
「もうちょっと一緒におりたいから」
しばらく真顔で見つめ合った後、否定しない彼女をオレは自宅へ連れて行った。
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