行きずりのオレと本命のアイツ

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「もうここでいいよ」  1人で帰るって彼女は言うたけど、夜道の一人歩きは心配やったから送って行った。  まあ、ちょっとでも長い時間一緒におったろうっていう魂胆もあったけど。  「大丈夫やって。部屋の前までは行かんから。マンションの入り口まで。それやったら部屋分からんしええやろ?物騒な世の中やからなぁ。心配やねん」  ホンマは「お礼にお茶でも……」とか言うてくれたら嬉しいねんけどなぁ、とか暢気なこと考えてたオレの腕を彼女がいきなり掴んできた。  ま、まさか……お礼アリ!? 「……!!どうしよう!部屋の前に彼がいる!」  あ、全然ちゃうかった。  期待してたこととはちゃうかったけど、くるみんの彼氏には大変興味があった。  こんなにもくるみんを惚れさすことができる男ってどんな奴なんやろ。
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