嘘とジェラシー

行きずりのオレと本命のアイツ

「え、ウソ！？どこどこ？くるみんの彼氏見てみたい」

「お願い！ふざけてないで、もう帰って！」

　興味津々のオレとは対照的に、彼女はガチで焦ってた。つーか、怯えてる？

「ええやん。オレと一緒におるとこ見せてヤキモチ妬かせたりや。仕事ばっかりしてたら彼女盗られるでーって。ちょっとぐらい焦らせやな」

「無理！絶対に止めて！稜サンは妬いたりしないの！欲しけりゃどうぞって言われるのがオチなんだから！」

　ふーん。彼氏はリョーさんって言うんや。で、未だに『さん』付けなんや。

　妬いたりしないって。ホンマかいな。そんなん言われたら余計に会いたなる。