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「なんじゃそら。そんな男おるわけないやろ。いけるって。友達ってことにしたるから。な?」
「止めて!お願い!」
散歩を嫌がってる犬みたいに、オレの腕を引っ張りながら、くるみんは前に進むことを拒んでる。
「お願い!何でも言うこと聞くから許して」
「そんなことしてたら怪しまれんで。早よフツ―にしいや。もう着いてまうで」
涙目の彼女には申し訳ないけど、くるみんの好きな男を見てみたいっていう気持ちが抑えられへんかった。オレも相当イヤな奴や。
「いやぁ、あっこの飯美味かったでなー。値段も安かったし……あ」
学芸会並みの下手な芝居をしながら、オレはくるみんと一緒に彼氏のところへ歩いて行った。
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