行きずりのオレと本命のアイツ

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「いやぁ、お邪魔なんはオレの方でしょ。どーも、初めまして。椎名悠二です」  オレが挨拶すると、男は気まずい顔で会釈した。 「ああ、どうも氷川です」 「オレは単なる友人の1人で、みんなで飯食って、家近いから送って来ただけですから」 「ああ、それはわざわざどうも」 「いえいえ。くるみちゃん可愛いから襲われたらあかんと思って。じゃあ、オレはこれで」  そんなに余裕こいててええんかなー?オレみたいな奴は眼中にないってか?  まあ、今日はこのぐらいにしといたろ。  思ったような反応もなかったのでオレは帰ることにした。  ……というか帰ったフリをした。
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