行きずりのオレと本命のアイツ

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 この女を独り占めしたいと、夢の国には似つかわしくない恐ろしいことを考えていた。  このままずっと一緒にいたい。  アイツのおらん世界に彼女と2人でいられたらええのに……。  どんなにこの時間が続いてほしいと思っても、やがて終わりはきてしまう。  魔法が解ける時がきてしまった。 「今日は急にごめんね。ありがとう」  マンションの前でくるみんが別れの挨拶を始めた時、どうしようもなく胸が苦しくなった。 「ううん。デートしてくれて嬉しかった」 「じゃ、じゃあ、おやすみなさい」  車から降りようとしたくるみんの腕を咄嗟に掴んでしまった。
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