行きずりのオレと本命のアイツ

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「家、行ったらあかん?」 「え?」 「もうちょっと一緒におりたい」  当然のことながら、くるみんが「わたしも一緒にいたい」と言ってくれることはない。それは承知してる。  オレとデートしてくれたのは、寂しさを紛らわすためやってことはアホなオレでも気づいてる。  せやけど、ズルくても汚くても今夜はこのまま彼女を帰したくはなくて、オレは強引に車を走らせた。 「お邪魔します……」  おどおどしながら初めて部屋の中に入った彼女を、後ろから何も言わずに抱きしめた。 「ちょっとぉ……!いきなり何するのよ」  彼女はオレが冗談でやってると思ったんか、冗談にしたかったんか苦笑いを浮かべていた。
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