行きずりのオレと本命のアイツ

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「いきなりじゃないで。オレはずっとこうしたかった。ずっと2人きりになりたかった」  いつもはくるみんが笑ったら笑うオレやけど、この時ばかりはお調子者を封印して必死で口説いていた。 「今日一日でオレ、くるみんのこともっと好きになった。もう離したくない。オレのものにしたい」 「ユージ……」 「オレがアイツのこと、忘れさしたる」  固定するように彼女の両頬に手を添えて勢いよくキスをしたけど、彼女は抵抗しなかった。  きっと、彼女の中にも”忘れられるものなら忘れたい”っていう気持ちがほんの少しはあるんやろう。  それなら、付けこみたい。振り向かせたい。奪ってしまいたい。  誰にも渡したくない。オレのモノにしたい。
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