嘘とジェラシー

行きずりのオレと本命のアイツ

「こないださ……」

　終わった後、くるみんを腕に抱きながらオレは情けない告白をした。

　くるみんとアイツが一緒にいるところを覗き見していたこと。
　罰が当たってキスシーンを見るハメになったこと。

「覗き見してジェラってるとかザマないけどな。あかん。思い出したらまたムカついてきた」

　能面みたいなアイツの顔を消したくて、くるみんにキスをした。

「今だけ……こうしてる時だけは、くるみはオレのもんやから」

「ユージ……」

「あーあ。ずっとこうしてられたらええのになぁ。あんな奴に返したくないなぁ」　

　どんなに強く抱きしめても、彼女がオレのものになるワケじゃない。

　抱きしめてオレのモノにできるのなら、きっとオレは骨が折れてしまうぐらい強く彼女を抱きしめてしまう。