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マグマのような怒りが腹の底から込み上げてくるのを感じたが、あのくるみが他の男と会う気になったのは間違いなく俺のせいなのだから、彼女を咎めるのはおかしいと必死で自分を宥めた。
やっとくるみの誕生日だってやり直せたのだし、せっかくの夜を台無しにしたくはない。
二人きりの夜をずっと楽しみにしてきたのだ。
あんな男に邪魔させる訳にはいかない。
動揺はしていたが、くるみは相変わらず俺を好きだと言ってくれていたし、その言葉に嘘はなかったと思う。
俺が泊まると言った時も、くるみはこの上もなく嬉しそうにしてくれていた。
最近はがっかりさせることが多かったから、くるみの喜ぶ顔が見られて俺も嬉しかった。
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