俺の知らない彼女

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 じっとりと湿った肌を寄せ合い余韻に浸っていると、くるみが遠慮がちに切り出した。 「……ねえ、稜サン。わたしのこと……好き?」  大抵の女は好きかどうかを聞きたがるが、意外にもくるみは今まで俺に一度も訊いたことがなかった。  さっきまでセックスをしていたのだから、わざわざ訊かなくても答えは分かり切っているだろうに、それだけ不安に思っているということなのだろうか。 「当たり前だろ」  俺を見つめているくるみの目を見て答えた。 「わたしも好き……」  安堵したように微笑むくるみを腕に抱いた。  くるみのことを愛おしいと思えば思うほど、憂慮する気持ちもより強くなる。  あんなチャラチャラした軽薄そうな男に、くるみの体を好きにされただなんて思いたくはない。
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