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目の前にいたふくよかな女性店員にいくつか指輪を見せてもらい、一番くるみらしいと思えたものを選んだ。
ダイヤが主張し過ぎず、控えめだけど品が良くて美しいデザインのもの。きっとくるみの細い指に良く似合うはずだ。
誕生日やクリスマスに欲しい物を訊いても、くるみは何でもいいと言って、自分から何かをねだったりすることはなかった。
ただ、くるみは一緒に買い物に出かけると何が欲しいかすぐに分かった。いいなと思ったものはじっと見て笑う癖がある。
本人は気づいていないようなので、後日それを贈ると「どうして分かったの?」と目を丸くした。
くるみは俺を超能力者か何かだと思っているようだが、長く付き合っていればきっとどんな男でも超能力者になれるだろう。
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