8251人が本棚に入れています
本棚に追加
衝撃の告白をしたお陰か、飲み会は早々にお開きになった。
ホッと胸を撫で下ろしながら、クラブから出て木村商事の皆さんをお見送りした。
「女部長さん、怒らせちゃってよかったんですか?」
隣にいたホステスが俺に耳打ちした。
「しょうがないよ。嘘つくのもおかしいし」
「氷川さんに彼女がいたなんて、私も少しがっかりですけど」
「ハハッ。よく言うよ」
見え透いたリップサービスを受け流している時だった。
「……え?」あれって、もしかしてくるみ?
店の前の通りに立って、くるみは俺のことをじっと見ていた。隣にいるのは椎名か?
俺と目が合うと、くるみは今にも泣き出しそうな顔で走り去った。
最初のコメントを投稿しよう!