俺の知らない彼女

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「すみません。俺、今日はこれで失礼します」  このまま放っておくのは危険だと判断した。  くるみ一人ならともかく、隣にはあの椎名がいた。  今、追いかけなければ、きっと取り返しのつかないことになってしまう。 「くるみー!」  普段なら何でもない距離かもしれないが、疲労困憊なことに加え、薄くても酒を飲んでいる体では軽く走るだけでも辛い。  息を切らして追いかけた先にようやくくるみの姿を見つけた。 「くるみ……?」  だが、そこには目を疑うような光景が広がっていた。  あろうことか、くるみは椎名の腕に抱かれていたのだ。
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