諦めの悪いオレと冷たいアイツ

5/30
前へ
/1603ページ
次へ
 相手の気持ちが消えたからといって、自分の気持ちまで消えてなくなるワケじゃない。  オレのこの気持ちはどないしたらええんやろ。  月もない夜空を見上げて、彼女を想う。  やけに冷たい北風が、奮発して買ったブランド物のチェスターコートを通り抜けて心の隙間から吹き込んでくるみたい。  体の芯まで凍りそう。  いっそ、燃え(たぎ)るこの想いを凍らせてくれたらええのに。  想いが氷になったら、もう二度と溶けへんように粉々に砕いてしまいたい。      *  好きな子にそっぽ向かれたからと言って、仕事が休みになるワケじゃないし、飯屋が割引してくれるワケでもない。  失恋割引のチケットでもあったら、オレ結構色んな店で割引してもらえるかも。って威張ってる場合ちゃうな。  はぁ。全然オモロイことも浮かべへん。
/1603ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8251人が本棚に入れています
本棚に追加