諦めの悪いオレと冷たいアイツ

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 止めときゃいいのに、なんかバカにされた気がしてもう一杯頼んでしもた。  ヤバいなぁ、ぐんぐん酔いが回ってる気が……。  倒れたらどないしよとか恐ろしいこと思いながら何気なく店内を見た瞬間、オレは血の気が引いた。 「……嘘やろ」  ちょっと離れてるけど、オレのテーブルの延長線上にくるみんがおった。  横におるのは、一緒に受付してた子かな?遠くからチラッと見ただけやけど多分そうや。  オレがここにおることも知らんと、くるみんは友達と楽しげにワインを飲みながら生ハムを頬ぼってる。  声は聞こえへんけど「美味しい」って言うてるのが分かる。  心から幸せって顔でニコニコ笑って、くるみんはホンマに美味そうに食う。
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