諦めの悪いオレと冷たいアイツ

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 一緒に飯食った時の記憶が甦ってきた。 『もう!食べてる時に笑わせないでよ!』  下らんこと言うて、いっつも怒られてたっけ。  オレは飯食ってるくるみんを見てるのも好きやった。  頑張って忘れようと思ってた胸が痛み出す。  オレはこんなに凹んでんのに、くるみんはまるで何事もなかったかのように友達と楽しんでる。   香山くるみの人生には、最初から椎名悠二なんかおらんかったみたいに。  複雑な気持ちで穴が開くほどじっと見てたら、またくるみんより先に友達がオレに気づいた。  友達に教えられてオレの存在に気がつくと、くるみんは一瞬で青ざめた。  僅かに残っていた”操作ミスでLINEごと消えた”説が完全になくなった瞬間でもあった。
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