諦めの悪いオレと冷たいアイツ

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「何それ。オレのこと、こんなに好きにさしといて、自分に都合悪なったらポイ捨て?オレの気持ちはどうなるん?」 「え……」 「オレはまだこんなにくるみのことが好きやのに、オレのこの気持ちはどないしたらいいん?教えてや。理由も言わんと黙って消えるなんてズルいわ」  言いたい放題言うた後、自分で自分にちょっと引いた。  怖がらせてどないすんねん。マジでサイテーやな、オレ。  ゲスでクズで女々しいときてる。ええとこなしや。 「ごめん……オレかってほんまは分かってる。自分がどんだけ女々しいことしてんのかも。くるみんのことを思うなら、黙って身を引くべきやと思う。けど、オレはそんな簡単に割り切られへん。今日ばったり会って思った。オレはやっぱりくるみが好きや……」  悪いことしたって分かってんのに、それでもオレはくるみんを離せんくて、強引に口づけた。
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