諦めの悪いオレと冷たいアイツ

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「ほな、まあ、今日のところは帰るわ」  ホンマは「幸せになれよ」ってキザなセリフ吐いて帰れたら格好ええんやろうけど、オレにはとてもできそうにない。 「ああ、うん」 「やっぱり泊まって行こかな」 「いや、それは……」 「冗談やん。そら、泊まりたいけど、今日は酔うてるし止めとくわ。ちゃんとできひんかったらカッコ悪いし」 「へ!?」 「調子狂うなあ。いつもみたいにヘンタイ!って怒ってくれやんと」  どうも辛気臭いのが苦手で冗談を言うてしまう。 「そうだよね」 「そうやで。思い切り否定してくれやんと、ええんかなって思ってまうから」 「アカンわ!」 「ハハハッ。下手くそやけどカワイイから許す」  不意打ちの下手な関西弁が可愛すぎて、胸が苦しくなった。  許されることなら、このまま家に押し入って襲い掛かりたい。
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