諦めの悪いオレと冷たいアイツ

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 オレには、くるみんと彼氏との世界観がよう分からん。  本音で腹割って話しもできやん男と、なんで一生一緒にいたいなんて思えるんやろう。  こういう話聞いてもうたら、付け入る隙あるんかなって思ってしまうで、オレは。  アイツの話で雰囲気がちょっと暗なったけど、料理が運ばれてきた瞬間にパッと明るなった。  美味しいって子どもみたいにはしゃぐくるみんを見て、心底ホッとした。 「ダンススクールの生徒さんたちは、やっぱりみんな将来ダンサーさんになりたくて通ってるの?」  皿の料理が半分くらい減った頃、すっかり元気を取り戻したくるみんに訊かれた。 「最近は学校の授業でダンスあるからって習いに来る子が多いけど、中にはダンサー目指してる子もおるし、歌って踊れるアムロちゃんみたいになりたいっていう子もおる」  オレの話にくるみんは目を輝かせたけど、現実はそう甘くもないって話をした。
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