諦めの悪いオレと冷たいアイツ

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 2人並んであまりにじっと見てたもんやから、アイツが気づいてこっちを見た。  なんぼ温厚なくるみんでも、ビンタぐらいするかな?  オレの予想を裏切って、くるみんは何も言わずにいきなり逃走した。 「え、ちょっと!」  結構な速さで逃げるくるみんの背中を追う。  彼女が追いかけて来てほしいのは、きっとオレじゃなくてアイツ。  分かってるけど、それでもオレは……。  例え「1人にして」って言われても、オレは絶対にくるみをひとりぼっちにはしやん。  楽しい時よりも、悲しい時にこそ、オレは彼女のそばにいたい――。
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