彼女のためにできること

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「ほな、3人でラブホでも行く?」  呆れて物が言えないとはこのことを言うんだなと、実感した瞬間だった。 「下品な男だな。行きたきゃ1人で行けよ」 「いやいや。絶対他の人に邪魔されへんし、静かやから言うただけやん。ラブホやから下品って、あんたこそ3Pでもすると思ったんか」  3Pだなんて言葉だけでも吐き気がする。  約十二時間のフライトを終え、担当外の接待に呼ばれ、挙句に椎名と話し合い……。  今日は厄日か?ここは地獄か?何なんだ、一体。  個室のある居酒屋に着くと、椎名と向かい合って座った。  気まずそうにしばらく悩んだ後、くるみはどちらの隣にもならないように座った。  椎名は自分の隣に座らせたかったようだが、その発想がまず非常識だ。
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