彼女のためにできること

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「そんなんつけた覚えないけど、仮につけてたとして、そのキスマークにオレの名前でも書いてたん?」 「ああ、書いてたよ。自己顕示欲の強いアホの椎名ってな」 「何それ、ウケるー」  口ではウケると言いながらも、表情は険しく目は笑っていなかった。  黙って俺と椎名のやり取りを聞いているくるみを一瞥した。  俯き加減で怯えている様子を見ると、やはりくるみはキスマークのことを知らなかったようだ。 「で?もし、オレと彼女がキスマークつけるような関係やったら、あんたはどないするつもりなん?潔くくるみんと別れてくれんの?」 「くるみが望むなら」  当然のことながら、椎名に何を言われようと従うつもりなど毛頭ない。
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