彼女のためにできること

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 くるみがいなければ、表へ出ろと言ってやりたいところだ。 「アホだとは思ってたけど、お前のアホさは救いようがないな。そんなのいいねって言う奴いると思うのか?」 「それやったら仕事セーブして、もっとくるみんと一緒におれる時間つくったりや。オレなんかが入り込む隙間ないぐらいさ。それができひんねんやったら、前向きに考えてみたら?悪い話じゃないと思うで。もちろん、許可がない限り手は出しませんよ」  まともなのかイカレてるのかよく分からない発言を繰り返し、俺を悪戯に混乱させると椎名は徐に席を立った。 「ほな、良い返事待ってるからね。リョーさん」 「おい!ちょっと待てよ!まだ話は……」  止めるのも聞かずに、椎名は本当に帰ってしまった。  なんて自分勝手な男なんだ。
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