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「……信じられない」
呆然として、うわ言のように呟いていた。
「ごめんなさい……」
「なんでくるみが謝るの?くるみもアイツの話に賛成なの?」
「ううん!まさか!ただ、こんなことになっちゃって申し訳ないなって……」
懺悔するかのように、くるみは涙目で言った。
すべて自分のせいだと思っているのだろう。
「……とりあえず出ようか」
「う、うん……」
このまま沈黙していたら居酒屋で夜を明かしてしまいそうなので、俺たちは店を出ることにした。
帰り道、くるみは弁解するでも謝罪するでもなく、ただ黙って俺の少し後ろを歩いていた。
俺も何も訊かなかったし、何も言わなかった。怖いぐらい頭の中が真っ白で、何を口にすればいいのか分からなかった。
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