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「そ、そんな……」
肯定することはなかったが、くるみは否定もしなかった。
「あんな得体の知れない奴にはもう会うなって言いたいけど、今の俺にはとても言えないよな。そりゃ俺だってできるものなら仕事減らして、もっとくるみに会う時間を作れたらって思うよ。けど、会社が大変な時に自分だけ『彼女に会うから今日は帰ります』なんて言えないよ」
「うん。分かってる」
「ホントに分かってくれてる?」
答えを求めるように、振り返ってくるみを見た。
「え?」
「アイツは手は出してないって言ってたけど、ホントなの?俺はくるみの口から聞きたい」
ここまできて嘘はついてほしくなかったので、じっとくるみの目を見ていた。
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