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「まさか稜サンがプロポーズしようと思っててくれたなんて、全然知らなかった……わたし……ずっと稜サンに嫌われてるんじゃないかって思ってた……仕事が忙しいのは分かってたけど、電話もメールもなくてすごく不安だったの。誕生日の日も何もなくて、もうわたしのことなんかどうでもよくなっちゃたのかなって……」
何も言わないのと何も感じていないのは、イコールじゃない。
俺の想像を遥かに超えるほど、くるみはずっと不安を抱えていたんだということに今さら気がついて愕然とした。
「そうだよな……本当にごめん。言葉にしなきゃ想いなんて伝わらないのにな。そんな当たり前のことにも気づけないなんて、ホントに情けないよ。くるみがアイツに惹かれるのも当然だよな」
椎名は俺の前でも平気でくるみを好きだと言ってのけた。
非常識だと非難しながらも、内心では羨ましく思っている自分もいた。
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