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一生そばにいてほしいと思ったくらい大事だし、今もその気持ちは変わらないが、だからこそくるみがこれ以上悲しむ姿は見たくない。
俺にはもう、彼女を笑顔にする自信はない。
最後のその瞬間の前に大きく息を吸い込んだ。
「……もう終わりにしよう」
自分でも驚くほど渇いた言葉が、淡々と唇からこぼれ落ちていた。
「イヤ……そんなのイヤ……」
今までは俺の言ったことに反発などしなかったが、くるみはベッドから立ち上がると、俺の腕を掴んで泣きながら別れを拒絶した。
何を言ってもくるみは受け入れようとしなかったが、俺もいい加減な気持ちで別れを口にした訳ではないので引くつもりはなかった。
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