彼女のためにできること

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 暗くてはっきりとは分からないが、手で顔を覆い泣いているようだった。  駆け出しそうになる足に必死でブレーキをかける。  何もできず、ただじっと悲しみに沈むくるみの姿を見ることも、俺に与えられた罰なんだろう。  俺が知らなかっただけで、きっとくるみは今みたいに独りで何度も泣いていたんだと思う。  申し訳なさと不甲斐なさに押し潰される。  俺には本気でくるみが好きだったなんて軽々しく語る資格などなかった。  再び、よろよろと力なく歩き始めたくるみの後をつけた。  時々立ち止まっては進む、を繰り返しながら無事に家まで見届けると、部屋の前で椎名が待っているのが見えた。
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