8252人が本棚に入れています
本棚に追加
/1603ページ
「あ。おはよう、稜サン。こんなに寝るなんてよっぽど疲れてたんだね。もうお昼過ぎてるよ」
まるで何事もなかったかのように明るく笑い、料理をしているくるみに違和感を覚えたが、目映い光景に涙が出そうになった。
「稜サン?どうかしたの?」
呆然と立ち尽くす俺を見て、くるみは首を傾げた。
「いや、あの……」
不思議と言葉が続かない。人間って驚き過ぎると、言葉を失うものなのだろうか。
「もうちょっとでグラタンできるけど、食べる?寝起きでグラタンは重いかな」
寝ぼけて頭が混乱しているんだろうか?それともこれは夢?
目の前にくるみがいることが信じられなくて、俺は無意識にくるみに手を伸ばしていた。
最初のコメントを投稿しよう!