彼女のためにできること

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「あ。おはよう、稜サン。こんなに寝るなんてよっぽど疲れてたんだね。もうお昼過ぎてるよ」  まるで何事もなかったかのように明るく笑い、料理をしているくるみに違和感を覚えたが、目映い光景に涙が出そうになった。 「稜サン?どうかしたの?」  呆然と立ち尽くす俺を見て、くるみは首を傾げた。 「いや、あの……」  不思議と言葉が続かない。人間って驚き過ぎると、言葉を失うものなのだろうか。 「もうちょっとでグラタンできるけど、食べる?寝起きでグラタンは重いかな」  寝ぼけて頭が混乱しているんだろうか?それともこれは夢?  目の前にくるみがいることが信じられなくて、俺は無意識にくるみに手を伸ばしていた。
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