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そら、別れを望んだことないって言うたら嘘になるけど、くるみんが目の前でボロボロ涙こぼしてるの見てたら居たたまれん気持ちになった。
「ごめん」
謝って済むことちゃうけど、他に言葉がなかった。
「今さら謝られたってもう遅いよ!」
大好きな彼氏と別れる原因になった男になんか抱きしめられたくないのは分かってるけど、オレは暴れるくるみんを離せんかった。
「ごめん。ほんまにごめん。オレがちゃんと、アイツなんかよりうんと、くるみのこと大事にするから」
こんな時に不謹慎かもしれへんけど、オレに言えるのはそれしかなかった。
アイツとヨリ戻せるように頑張れなんて、心にもない言葉で励ますことはできひんかった。
「ユージにされたって意味ないから!!」
強い口調で叫ぶように言うと、くるみんはオレを突き飛ばして家に入って行った。
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