8252人が本棚に入れています
本棚に追加
/1603ページ
「あ、ちょっと!くるみん!」
傷だらけの時に1人きりにするのは心配やったけど、くるみんはドアを叩いても出て来やんかったから、気になりつつも帰ることにした。
ごめんな、くるみん。閉め出されたら慰めることも励ますこともできやんから、今日のところは帰るけど、逃げるワケじゃないからな。
後ろ髪を引かれる思いで、オレは自宅に向かって歩き出した。
ぼんやり浮かぶ歪な月を見上げて、白い溜息を逃がす。
今日の話し合いは、オレにとってはある意味賭けやった。
これを機にお互い反省して元鞘に戻るか、隙間を埋められずに別れるか。
アイツはプライド高そうやし、端からオレのベビーシッター案に乗るとは思ってなかった。
こんなこと思うのはサイテーかもしれへんけど、オレは正直これでよかったってホッとしてる部分もある。
最初のコメントを投稿しよう!