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まだどこかへ出かけたり、飯食いに行ったりする気にはならんみたいやけど、それでも会話が成り立ってくすっとでも笑ってくれるだけで、いくらか安心できた。
「オレ、くるみんの彼氏になったらあかん?」
彼氏になったら頼りやすいんちゃうかと思って何度かアタックしてみたけど、答えはいつも同じやった。
「ごめんなさい。今はまだそんな気持ちになれない」
「別に今すぐオレのことを好きになってくれんでもいいねん。ただ、しんどくて誰かに話聞いてほしい時とか寂しくて誰かそばにおってほしい時もあるやろ?そう言う時に、我慢せんとオレに甘えてほしいからさ。彼氏やった方が甘えやすいかなって」
言葉にしたらやたらとカッコつけてるみたいで、言いながらちょっと恥ずかしなった。
「ねえ、ユージ。どうしてそんなに優しくしてくれるの?わたしなんかのどこがいいの?」
照れ臭くて半笑いのオレとは対照的に、くるみんは深刻な顔で訊いた。
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