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「え!?ほんまに?なんで言うてくれへんかったん、そんな大事なこと」
「ただの貧血で、別にたいしたことなかったから……」
「じゃあなんでコイツには連絡したん?」
「わたしがしたんじゃないよ。職場の人が知らずに連絡しちゃったの……」
オレが結構な勢いで詰め寄ると、くるみんは気まずそうに答えた。
くるみんを責めるつもりなんかないのに、ついつい口調がキツくなってしまう。
「そんな……ほんでもう大丈夫なん?早よ家帰って横になった方がええで」
一刻も早くアイツから引き離したくて、オレはくるみんの肩を抱いて歩き出そうとした。
「……今日はしゃあないけど、もう二度と来んといてな」
この1ヶ月ほど、くるみんが苦しむ姿をずっと見てきたから、もうそっとしておいてほしかった。
その気もないのにウロつかれたら、せっかく治りかけてたくるみんの傷を抉るだけ。それだけは何としても避けたい。
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