UNCHAIN

22/27

8251人が本棚に入れています
本棚に追加
/1603ページ
「え!?ほんまに?なんで言うてくれへんかったん、そんな大事なこと」 「ただの貧血で、別にたいしたことなかったから……」 「じゃあなんでコイツには連絡したん?」 「わたしがしたんじゃないよ。職場の人が知らずに連絡しちゃったの……」   オレが結構な勢いで詰め寄ると、くるみんは気まずそうに答えた。  くるみんを責めるつもりなんかないのに、ついつい口調がキツくなってしまう。 「そんな……ほんでもう大丈夫なん?早よ家帰って横になった方がええで」  一刻も早くアイツから引き離したくて、オレはくるみんの肩を抱いて歩き出そうとした。 「……今日はしゃあないけど、もう二度と来んといてな」  この1ヶ月ほど、くるみんが苦しむ姿をずっと見てきたから、もうそっとしておいてほしかった。  その気もないのにウロつかれたら、せっかく治りかけてたくるみんの傷を抉るだけ。それだけは何としても避けたい。
/1603ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8251人が本棚に入れています
本棚に追加