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「お前のために、そこまでするわけないだろ」
薄ら笑いを浮かべてるのがやけに不気味で、信用できんくて、一刻も早くこの場から立ち去ろうと思った。
あの妖しげな目を見てるだけで、くるみんが洗脳されてしまいそうや。
「行こ、くるみん!」
手を引いて一緒に部屋に向かってるオレの方が劣勢に思えた。
自信がないことを見透かされてるのが、不愉快極まりなかった。
部屋に着き、くるみんが玄関の鍵を開けると許可もなく押し入った。
受け入れてくれへんのは分かってたけど、オレはくるみんに抱きつくと無理やりキスを迫ってた。サイテーやけど、露骨に顔を逸らされると余計にムキになってしまう。
なんでオレじゃあかんのって。こんなに想ってんのにって。
「んっ……!イヤ!止めて!離して!」
「オレが来やんかったら、アイツのこと部屋に入れるつもりやったん?オレに邪魔されたって思ってる?」
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