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「お、思ってないよ!そんなこと!だいたい、彼が部屋に入るワケないでしょ!」
「くるみんは甘いわ!前にも言うたやろ?男なんかみんな、あわよくばって思ってんねんから!まだ自分のこと好きな元カノなんて、簡単にヤれるって思われてるに決まってるやん!」
考えたくはないけど、もし今日オレが来てなかったらアイツはきっと部屋に上がり込んでたと思う。くるみんだって、アイツにやったら迫られても拒まれへんやろうし、それこそホンマもんの都合のええオンナにされてまう。
「止めて!彼はもう、わたしのことなんて何とも思ってないの。あわよくばなんて思うはずないでしょ」
さっきからずっと「彼は、彼は」ってアイツの目線でばっかり言うのもおかしい。
「何とも思ってなかったら抱きしめたりする?オレにあんなこと言う?あの男、絶対オレに仕返しするつもりや」
自分には想像すらできんようなことをあの男が企んでるんかと思うと、急に背筋が冷たくなって、恐怖をかき消すようにくるみんをもう一度強く抱きしめた。
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