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「何言ってるんですか。相手はつい最近まで学生だったんですよ」
「だからいいんだろ。学生っていっても二十歳越えてりゃ、もう立派な大人のオンナだぞ。若いと肌はピチピチだし……」
仕事中にどこを見てるんだ、この男は。
「工藤さん」
「何だよ、そんな怖い顔して」
「訴えますよ」
「バ、バカ！冗談に決まってるだろ！」
先輩は慌てて席に戻ったが、とても冗談には聞こえなかった。
嫁も子どももいるくせに、何を考えているんだか。
若けりゃいいなんてそんなこと……。
『失礼なこと訊くかもしれないけど、新卒……じゃないよね？』
『ち、違いますよぉ！ごめんなさい。もっと歳いってます……。やっぱり若い子の方がいいですよね』
初めてくるみに電話した時の会話が不意に甦ってきて、息苦しくなった。
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