俺と彼女とアイツ

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「はい、もしもし。氷川ですが」 「ああ!すみません!会社にお電話して。スマホのロックが解除できないから仕方なく……」  電話の主は酷く焦っている様子で、何が言いたいのかまったく要領を得ない。 「えっと、今日はどういったご用件で?」 「あの、私、くるみと同じ会社の杉田という者なんですけど、さっきくるみが更衣室で倒れて、今病院に向かってるんです。それで……」 「どこの病院ですか?」  相手はまだ何か喋っていたが、俺は病院を聞き出し、会社を飛び出した。  健康には人一倍気を遣っていたし、そんなに病弱な方でもないのに倒れるなんて、きっとよほどのことなんだろう。  大きな病気を患っていないことを祈りながら、タクシーが病院に着くのを苛立ちながら待った。 「あ、氷川さん!」  病院に着くと、見覚えのある女性が駆け寄って来た。
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