俺と彼女とアイツ

11/29

8251人が本棚に入れています
本棚に追加
/1603ページ
 そこでようやく、”杉田さん”がくるみが一番仲の良かった”スーさん”だと繋がった。 「それで、くるみは?」 「ごめんなさい。私、人が倒れてるのなんて初めて見たから焦ってしまって……恐らくただの貧血だろうって。今、処置室にいます」 「そうか、それならよかった」  病状を聞いて、いくらか肩の力が抜けた。 「夜も眠れないのか最近ずっと顔色も悪かったし、ご飯に誘っても断られてばっかりだったから、もしかしたら妊娠でもしてるんじゃないかと思って。だったら、氷川さんにも連絡しなきゃって……でも、私の早とちりでした。すみません、お忙しいのに」  顔面蒼白の杉田さんは、どうやら俺とくるみが別れたことを知らないようだった。  知っていたら俺に連絡などぜす、椎名に連絡しただろう。  一番仲が良いと言っていたのに、話していないのは意外だった。
/1603ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8251人が本棚に入れています
本棚に追加