俺と彼女とアイツ

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「いや、いいんだ。連絡してくれてありがとう。後のことは俺がやっておくから、杉田さんは仕事に戻ってくれたらいいから」 「はい。じゃあ、お願いします」  少し安堵した様子で帰ろうとした杉田さんは、何かを思い出したように戻って来た。 「あのう……私なんかが言うのは差し出がましいんですけど、氷川さんってくるみのことは本気じゃないんですか?」  思いもよらなかった質問に面食らった。 「くるみがそう言ってたの?」 「いえ。くるみはそこまでは。でも、私から見れば都合の良い女にされてるんじゃないかとちょっと心配で。ごめんなさい。私には関係ないことかもしれませんけど、くるみは氷川さんのことが好きで好きでしょうがない子なんです。お忙しいのは分かるんですけど、もう少しくるみのことも見てあげて下さい」  そう言って頭を下げると、杉田さんは帰って行った。
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