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「痩せたね」
「そ、そう?」
「アイツは……椎名は痩せてる女が好みなのか?」
「え……?」
「……付き合ってるんだろ?椎名は何も言わないの?くるみがこんなに痩せても」
アイツがここへ向かっているということは、自宅で会う仲なのは間違いない。
だとすれば、痩せたことに気づかない方が無理だろう。
「付き合ってないよ」
「どうして?」
意表を突く答えに、体を離してくるみの目を見た。
「まだ……忘れられないから……」
か細いくるみの声に、思わずドキッとしてしまった。
それってまさか……?
「別れたクセに何してん」
思ったよりも早くあの男の声がした。くるみに会いたくて速足で来たのか。
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