俺と彼女とアイツ

20/29

8251人が本棚に入れています
本棚に追加
/1603ページ
「痩せたね」 「そ、そう?」 「アイツは……椎名は痩せてる女が好みなのか?」 「え……?」 「……付き合ってるんだろ?椎名は何も言わないの?くるみがこんなに痩せても」  アイツがここへ向かっているということは、自宅で会う仲なのは間違いない。  だとすれば、痩せたことに気づかない方が無理だろう。 「付き合ってないよ」 「どうして?」  意表を突く答えに、体を離してくるみの目を見た。 「まだ……忘れられないから……」  か細いくるみの声に、思わずドキッとしてしまった。  それってまさか……? 「別れたクセに何してん」  思ったよりも早くあの男の声がした。くるみに会いたくて速足で来たのか。
/1603ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8251人が本棚に入れています
本棚に追加