8252人が本棚に入れています
本棚に追加
/1603ページ
「誰のせいで別れたか分かって言ってんの?それで彼女が苦しんでるんだとしたら、お前のせいじゃないか。お前の”好き”は所詮、口だけなんだよ。こんなに痩せるまで放っておくなんて、彼女のことをちゃんと見てない証拠だろ?お前は人のものを盗るのが趣味なだけで、別れたら興味が失せたのか?」
ベビーシッターだなんて常軌を逸した愚策を持ち出すほど、くるみに惚れていたんじゃないのか?
俺から奪いたかったんじゃないのか?
威勢のわりには、結果が伴っていないように思えた。
今にも怒りのメーターを振り切りそうな椎名をくるみが必死で俺から引き離す。
怖がるくるみを見て我に返ったのか、椎名はようやく落ち着きを取り戻した。
だが、すぐにハッとした顔をして俺の方を振り返った。
最初のコメントを投稿しよう!