8251人が本棚に入れています
本棚に追加
/1603ページ
あの男がいつ何を仕掛けてくるんかと思うと、しばらくは不安で堪らんくて、くるみん家の前にテント張ったろかなとかマジで考えたけど、1週間経ち、2週間経ち、1ヶ月が経ってもアイツは何もしてくる気配がなかった。
オレの取り越し苦労やったんかな?それやったらええけどさ。
アイツの影が消えてから、くるみんも少しずつ元気になってきてるし。
落ちるとこまで落ちたら、もう上がってくるしかないもんな。
オレがずっと差し出してる手に早く気づいて掴んでくれたら引き上げられるのに。
結局、心配してたようなことは何も起こらんまま、季節は移り変わり夏を迎えようとしていた。
『今日の晩飯は何ですか?』
『まだ決めてないよ。これからスーパーに行って決める』
『よし。じゃあオレも行くわ』
『え?スーパーに?』
『そう。くるみんの手料理食べたいな』
最初のコメントを投稿しよう!