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雨が降ってることは分かってたけど、玄関開けたらいきなり空を裂くような稲妻が光って、すぐ後にえげつない雷の音がしてさすがにビビってもうた。
近くで何かが爆発したような轟音に、まだ心臓がバクバクしてる。
この時間やったらちょうどくるみんが会社から帰る頃ちゃう?
そう思ったら心配になってきて、オレはくるみんに電話をかけた。
考えたら、オレはくるみんが雷が苦手なんかどうかも知らん。
どっかで怖がって震えてなかったらええけど……電話に出やんことがさらに不安をかき立てた。
こうなったら繋がるまでかけよう。妙な胸騒ぎがオレを突き動かしてた。
2回目の発信でくるみんは電話に出た。
ホッと胸を撫で下ろす。
「もしもし?」
「あーやっと出た!まだ仕事やった?ごめんな。また何かあったんかなと思って」
か細くても声を聞くと安心する。
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