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「そうだったんだ……」
「やっぱりアイツ、オレに仕返しするつもりやん!ってか、もうしてるやん!!」
つくはずのないキスマークにオレは動揺してた。
「何ヶ月も姿見せへんから、新しいオンナでもできたんかと思って安心してたのに、アイツは待ってるんや……オレとくるみんが付き合うのを。付き合ってから奪う気なんや」
「まさか!そんなはず……」
オレの推測をくるみんは否定しようとしたけど、間違ってるとは思えんかった。奪う気がないなら、同じ場所にキスマークなんかつけるはずない。あの時のオレみたいに……。
「もし、オレがくるみんと付き合ったらアイツが奪いに来んのは目に見えてるし、このまま彼氏にならんかったら何されても文句言えんし、どっちに転んでもアイツの思うツボやん!ヒカワの奴……クソーッ!!」
忘れかけていた恐怖と怒りが、満腹の腹の底から沸騰するみたいに湧き上がってきて、オレは思わず声を荒げてた。
なんで今頃アイツが!?
言い知れぬ感情がオレの中で大蛇のように蠢く。
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